▼ 日本人には聞こえない音

 
 

▼ 日本人には聞こえない音

ここまで語彙力と語順の観点から,お話を進めてきました。 この2つの問題が解決されれば,英文の理解はずいぶん楽になります。 しかし,リスニングとなると,実はもう一つの問題がからんでくるのです。 それは次のような問題です。
日本人にはどうしても聞き取りにくい音がある
これは純粋に「耳」という器官の持つ生理学的な問題です。 英語の能力とはとりあえず関係ないと思って下さい。 例えば,普段使わない筋肉は退化しますよね。 それと同じことがリスニングにもあてはまるのです。 普段使わない耳の筋肉は,退化してしまうのです。 「えっ?耳に筋肉なんてあるの?」 「耳が退化するって,聞こえなくなるってこと?」 「普段使わないって言ったって, 誰だって毎日いろんな音を聞いてるでしょ?」 いえいえ,そういうことではありません。 私たち日本人だけが持つ聴覚の問題なのです。 当たり前のことですが,私たち日本人は, 生まれたときから日本語に囲まれて生きています。 他の言語に日常的に触れる機会は, 普通の人であればほとんどないでしょう。 そういう状況ですと, 耳は日本語の持つ音だけに敏感に反応するようになります。 つまり,日本語の持つ周波数にのみ敏感に反応するようになるのです。 その結果どうなるかと言うと, 他の言語のもつ周波数には適応できなくなってしまうのです。 基本的に日本語の周波数は低いんです。逆に英語は高い。 だから,私たち日本人の耳は,低い周波数の音には敏感に反応しますが, 高い周波数はよく聞き取ることができないのです。 それが英語を聞き取る際の 支障になってしまうというわけです。 じゃ「高い周波数」の音ってどんな音なんでしょうか。 例えばこんな音です。
・ウォークマンのヘッドホンから流れてくるシャカシャカした音。 ・スーパーで買い物をした時の袋をクシャクシャに丸める時の音。 ・サラサラと流れる小川のせせらぎの音
なんとなくイメージは分かっていただけると思います。 「シャカシャカ,チャカチャカ」って感じの音です。 言葉でいうと「シュ」とか「チャ」とか「トゥ」とかいう音です。 いわゆる,子音がこれにあたります。 これが日本人には聞き取りにくいんです。 日本語というのは母音が中心の言語なので, 子音を強く発音することはあまりないのです。 ですから,子音を聞き取る耳の筋肉が退化してしまうのです。 これが英語を聞き取る際の支障となります。 単語の意味がわかっていて, 語順で理解する習慣が身についていても, ここでつまずいてしまうんです。 ですから,ある程度の英語力のある人が, 周波数の問題を解決すれば 英語の聞き取り能力は飛躍的に伸びます。

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